1910年代のアメリカ海軍のPea Coatに着想を得た一着です。
当時のPea Coatは、非常に重厚感があり、質感にも優れていましたが、その一方でウールは硬く、生地自体もかなり重たいものでした。
BONCOURAはその重厚感や風合いを尊重しつつ、現代の技術を駆使して、武骨さと上品さが共存する最高の素材を目指して、この生地を開発しました。
このPea Coatのために特別に開発されたオリジナルカシミヤ混メルトン生地は、旧式の織機を使用して空気を含ませながら丹念に織り上げられています。
さらに、通常のメルトンよりも多くの工程をかけて丁寧に起毛させることで、柔らかさとしっかりとした質感が調和した風合いを実現しました。
繊維の長く手触りの良い羊毛にカシミヤをミックスし、BONCOURAならではの独自の仕上げを施しています。
カシミヤと羊毛の配合は、一見簡単そうに思えますが、実際には非常に難しいバランスが求められます。
カシミヤだけを使うと、滑らかさは最上級に仕上がりますが、繊維が柔らか過ぎて男らしい武骨な風合いを出すことが難しくなります。
一方で、羊毛だけではカシミヤ特有の上品さや柔らかさを表現することができません。
こうした相反する特性を調和させることで、BONCOURAらしい生地が完成しました。
ボタンは大小共に金型の段階からオリジナルで製作し、裏側にはBONCOURAの刻印を施しています。
軍で実際に採用されているユリア樹脂を使用しており、耐熱性や衝撃への強さを兼ね備えています。
この金型を制作できる熟練の職人は非常に少なくなっており、製作自体が大変難しくなってきています。
一見何の変哲もないボタンですが、「神は細部に宿る」という言葉の通り、妥協せず作り上げた最高のボタンです。
裏地にはコットンのハウンドトゥース柄のネル生地を使用。
着心地だけでなく、見えない部分にもこだわりが込められています。
素材の選定から仕上げの工程まで徹底的にこだわったこのPea Coatは、細部にまで宿る職人の技術と丁寧なものづくりを、ぜひ手に取って感じてください。
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