フランス海軍のマリンシャツから着想を得てラッセル編みを採用したBONCOURA独自のブレトンシャツ
ブレトンシャツとその歴史
歴史は古く17世紀にはすでにその原型とも呼ばれる存在が確認されています。フランスの北西部に位置するブルターニュ地方が発祥と言われ、元々は漁師を厳しい冬の寒さから守るために分厚いウールで編まれたストライプのニットでした。
ブルターニュ地方の旗、古くからこのストライプが親しまれてきたことがわかる
日本国内ではバスクシャツという名が広がっています。
名前の由来はバスク地方のものと言う説もありますがエビデンスに乏しく、恐らくバスク地方のストライプの織物と混同している可能性や、和製英語等によく見られるように誤訳によって名前が広がったのではないかと考えられます。
1810年ごろには非公式ながら海軍でも導入されていた様です。ただしこの頃はストライプの太さや数等に規定はなく
後の1858年に正式にフランス軍に採用され、この時に軍の正式なものとわかるようにストライプの太さ青い部分が10mm白い部分が20mmとボディとアームのストライプの本数等の規格がなされました。
BONCOURAではストライプの太さは軍の規格を尊重し採用、ストライプの本数はサイズ感やデザイン性を重視し変更しています。
こだわりのラッセル編み
一般的なニットは横編みなのに対しラッセル編みは縦編みのニットとなります。
その構造から縦方向に収縮性があります。
ラッセル編みの特徴的な編み地
横編みのものと比べて服などにした時のサイズ寸法が安定し、さらにほつれにくさや、弛みにくい等の性質から軍用として採用するにあたり大きな利点であると思います。
ただし優れた素材ながらも、オリジナルを作るとなると生産ロットが大きく、生地に対するこだわり等が無くしては気軽には作れない素材でもあります。
BONCOURAでは分厚過ぎず薄過ぎない、程よい肉感に生地を編み立てました。
ラッセル編み特有の清涼感のある触り心地はこれからの季節の良い相棒になるでしょう。
シルエット
フランス海軍のブレトンシャツはファッション性より実用性を追求しているためタイトフィットで作られています。
これは甲板での作業中に物とかに引っかからないために体に沿うようピッタリと着るサイジングとなっています。
実際のヴィンテージとの比較、着丈袖丈に対し身幅がかなり細い
またラッセル編みが採用された背景にはほつれにくさや、たるみにくさの生地の特性を生かし、荒々しい海で器具に引っかかる等のアクシデントを最小限に防ぐためでもあったと考えられます。
またストライプの柄は階級を見分けやすくする為だけでなく、船員が波にさらわれたりした場合にいち早く見つけるためでもあります。
BONCOURA独自の解釈でアームやボディなどをややゆとりのあるようにシルエットを変更
インナーとしてはもちろん1枚でも着れる様に調整しています。
左肩にはBONCOURAの象徴であり漁師や海軍とは切っても切れない縁の灯台が
ラッセル編み特有とも言える大きな目の編み地は、ドライな質感を生み出し夏場の汗のかきやすい時期はもちろん独自の清涼感を味わえます。
Breton Shirt と言う一つのデザインから歴史を紐解き、時代背景を尊重し新たにBONCOURAが作り上げた流行り廃りのない普遍的なBreton Shirtです。
サイズ表は未洗の状態のもので洗濯後に縮が出ることがあります。
ワンウォシュ天日乾燥後 平置きで計測して縦約1cm横2cm程の縮がありました。